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区域区分

 「都市計画区域」を「市街化区域」と「市街化調整区域」とに区分することであり、「線引き」とも呼ばれる。(都市計画法第7条第1項)。

 都市計画法は、人やものの動きや地形、人口、交通量などの現況や推移に基づいて、中心的な市街地とその周辺地域を一体の都市として総合的に整備・開発・保全していく必要がある区域を都道府県が指定するよう定める。これにより指定された区域が「都市計画区域」である。

 無秩序な市街化を防止し、良好な都市環境を作るという観点から、「市街化区域」と「市街化調整区域」の線引きも行われる。

 「市街化区域」とは、既に市街地を形成しているところ、及び、おおむね10年以内に優先的に市街化を進めるべきところであり、「市街化調整区域」は、市街化を抑制すべきところである。市街化調整区域の中においては、農林漁業用の建物の建築や、一定規模以上の計画的開発以外が許可されない。

 〈小口〉

業務核都市

 東京都心部への行政、経済、文化の一極集中を是正するため、業務、商業、文化施設などを集中的に整備する都心周辺の核都市のことである。東京圏における住宅問題や職住遠隔化など大都市問題の解決を図り、東京都区部(すなわち23区)への一極依存型構造をバランスの取れた地域構造に改善していくことが期待される。

 東京都23区以外の地域で相当程度広範囲の地域の中心となるべき都市(業務核都市)を定め、業務機能始め諸機能の集積の核として重点的に育成整備することを方針とする。

 第4次「首都圏基本計画」で業務核都市に定められたのは、東京都内では八王子市・立川市・青梅市、同じく第5次で多摩市・町田市が加わった。

 〈小口〉

既成市街地

 一般的に言う「既成市街地」は、建物や道路などがすでに出来上がっており、市街地が形成されている地域であるが、法律上は次のような意味を持つ。

〔1〕「首都圏整備法」(昭和31年)に基づくもの

 東京都及びこれと連接する枢要な都市を含む区域のうち、産業及び人口の過度の集中を防止し、かつ、都市の機能の維持及び増進を図る必要がある市街地の区域で、政令で定めるもの。東京都に即して言えば、特別区(すなわち23区)と武蔵野市の全域、さらに三鷹市のうち一定の区域が該当する。

 「第5次首都圏基本計画」に示された方針は、諸機能の選択的な分散を図りつつ既存の市街地の整備改善を進めることである。


〔2〕「都市計画法」(昭和43年)に基づくもの

 人口密度が1ヘクタール当たり40人以上である土地の区域が連坦している土地の区域で、当該区域内の人口3,000人以上となっている区域とこれに接続する市街地を言う。

 〈小口〉

環境基準

 「環境基本法」(1993(平成5)年制定)に基づいて、人の健康を守り、生活環境を保全するために設けられた環境上の基準である。大気汚染、水質汚濁、土壌汚染及び騒音の4つについてそれぞれ基準が数値で定められている。

 それが意味するところは最低限度としてではなく、より積極的に維持されることが望ましい水準としてその確保を図っていこうとする行政的目標である。

 基準値は、人体影響等の疫学的データに基づいた科学的知見と行政上の実現可能性を考慮して定められる。

 〈小口〉

河川

 国語辞典の解説は、「地表をほぼ一定の流路をもって流れ、湖や海に注ぐ水の流れ。大小のかわ。」というようなものになる。しかし、「河川法」が定める「河川」とは、「一級河川及び二級河川をいい、これらの河川に係る河川管理施設を含むもの」である。

 「一級河川」とは、「国土保全上又は国民経済上特に重要な水系で政令で指定したものに係る河川(公共の水流及び水面をいう。以下同じ。)で国土交通大臣が指定したもの」。「二級河川」とは、「政令で指定された水系以外の水系で公共の利害に重要な関係があるものに係る河川で都道府県知事が指定したもの」である。

 このほか「準用河川」というものがあり、これは「一級河川及び二級河川以外の河川で市町村長が指定したもの」、この法律の規定が準用される。

 なお、ここでいう「河川」には、一般に呼ばれる河川のほか、放水路、湖沼、洪水調節地も含まれる。また、法の条項にあるように、「河川処理施設」まで含むのである。「河川処理施設」とは、ダム、堰せき、水門、堤防、護岸、床止め、樹林帯などである。したがって、同法が定まる「河川」とは相当広い意味になる。

 〈小口〉