記事一覧

公共施設(こうきょうしせつ)

 一般的に「公共施設」というと、学校や図書館、市民会館、保健所などが思い浮かぶ。しかし、実際、この用語は扱いが難しく、その意味する範囲がそれを定める法令によってさまざまである。

 例えば、都市計画法に即して理解すれば、「道路」「公園」「下水道」「緑地」「広場」「河川」「運河」「水路」「消防の用に供する貯水施設」が「公共施設」である(同法第4条第14項)。他方、土地区画整理法では、「公共施設」は「道路」「広場」「公園」「緑地」「河川」「水路」「その他政令で定める公共の用に供する施設」に限定される(同法第2条第5項)。

 似た言葉に「公益施設」があるが、上と区別して住民生活に必要なサービス施設、学校、官公庁、図書館、公民館、駐車場、幼稚園、集会所、老人ホーム、診療所等を指して呼ぶことが多い。

  〈小口〉

公共下水道(こうきょうげすいどう)

 下水道には、「公共下水道」「流域下水道」「都市下水路」の3種に分類される(下水道法第2条第3号~第5号)。このうち、「公共下水道」は、「主として市街地における下水を排除し、又は処理するために地方公共団体が管理する下水道」である。さらに、「終末処理場を有するもの又は流域下水道に接続するものであり、かつ、汚水を排除すべき排水施設の相当部分が暗渠である構造のもの」という条件が付く。(下水道法第2条第3号)。

 一般に「下水道」というとき、この「公共下水道」がイメージされている。

 公共下水道の設置・管理は、原則として市町村が行うが、一定の条件の下、都道府県がこれを行うことができるとされている。また、平成3年度から、過疎地域活性化特別措置法に基づく特例として、過疎地域のうち、一定の要件を満たす市町村については、幹線管渠等の根幹的部分の設置を都道府県が代行できるようになった。

 公共下水道のうち、特定の事業者の事業活動に主として利用されるものを「特定公共下水道」という。

 〈小口〉

公共空地(こうきょうくうち)

 「公開空地」と同様、誰もが通行し、利用できるオープンスペースであるが、こちらは土地の使用権が国や地方公共団体によって担保されているものである。

 都市計画法が定義するところでは、「公園」「緑地」「広場」「墓園」その他となる。

 〈小口〉

公開空地(こうかいくうち)

 公開空地とは、ビルやマンションの敷地内にありながら、周辺住民や通行人など一般人も利用できる一種のオープンスペース。サンクガーデン(半地下の広場・庭園)、ピロティ、アトリウムなども含まれる。総合設計制度に基づいて基づいても受けられるようになった。

 「総合設計制度は1971(昭和46)年に創設され、正式には「敷地内に広い空地を有する建築物の容積率等の特例」という名称である(建築基準法第59条の2)。つまり、公開空地を設ければ、この制度により容積率の割り増しや高さ制限の緩和などの恩典があるので、公開空地は設けられるようになったのである。

 主な公開空地は、「歩道上空地」「貫通通路」及び「広場状空地」と区分される。

 〈小口〉

景観基本軸

 東京都内には、特徴的な景観が軸上に連続した地帯があり、これを「景観軸」と呼ぶ。景観軸は、河川・水路、丘陵地、崖線、幹線道路等である。

 「景観基本軸」は、このうち、東京における良好な景観の形成を推進する上で、特に重点的に取り組む必要がある二以上の区市町村にまたがる地区で、東京都景観条例の定めにより知事が指定できるものとする。

 指定済みのものは、「隅田川」「丘陵地」「玉川上水」「神田川」「臨海」「国分寺崖線」等である。これら各軸ごとに、「景観づくり基本計画」「景観づくり基準」を定めて、一般の地域よりきめ細かな景観誘導が図られることになっている。

  〈小口〉