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生産緑地地区 (せいさんりょくちちく)

 一定条件を満たしている保全すべき農地を、「生産緑地法」(昭和49年法律第68号)第3条第1項の規定による「生産緑地地区」として都市計画決定し、建築行為等の制限をかけることにより農地の保全を担保し、良好な都市環境の形成を図る。これが「生産緑地地区」制度である。「生産緑地」は、都市計画法に基づく地域地区の一種でもある。

 農林漁業との調整を図りつつ、良好な都市環境の形成に資するために、市街化区域内の農地・採草放牧地・森林・池沼等のうち、公害や災害の防止など良好な生活環境の確保に効用があり、かつ、公園・緑地など公共施設等の敷地の用に供する土地として適しているもので500㎡以上の規模の区域を区市町村が指定とによってこの「生産緑地地区」となる。税制上の諸々の措置を受けられる。

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生活関連施設 (せいかつかんれんしせつ)

 「産業基盤施設」に対する言葉。明確な区分の定義があるわけではないが、「生活関連施設」は、上下水道、公園、道路、ごみ処理施設、教育文化施設、医療施設など市民生活に密着した施設を指す。それに対し、産業基盤施設には、産業用道路、鉄道、港湾などが含まれる。

 わが国では高度成長(昭和20~40年代中頃)の過程において主として産業基盤施設の充実に重点が置かれたが、近年では生活関連施設の整備に力が注がれるようになってきたのは、生活環境、生活の質が重視されるようになった社会背景を反映しているといえる。

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スカイライン (skyline)

 英和辞書的に載る訳語では第一に「地平線」である。「都市」に即していう場合、「都市景観を構成する要素としての都市の建築物群がシルエット的に形成する線」という意味も持つ。

 「東京都景観計画」の中でも、「スカイライン」は重視されている。

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スーパー堤防 (すーぱーていぼう)

 従来の“カミソリ堤防”と俗称されるタイプの堤防と対比される堤防。“カミソリ堤防”の例を挙げれば、昭和32(1957)年から昭和50(1975)年にかけて隅田川等で整備された、コンクリート製、高さ3~4mほどの直立の高潮堤防である。カミソリ堤防により街と川が分断されてしまったという弊害が指摘されていた。

 因みに、この名の由来は、防が洪水のために決壊または破堤することを「堤防が切れる」ということから、カミソリ(剃刀)の刃がよく切れることに比喩して、(「切れやすい堤防」すなわち「カミソリ堤防」となったと言われる。

 東京都が管理する隅田川、中川、綾瀬川などで、河川内のテラス化と合わせて整備が推進されているスーパー堤防は、従来のカミソリ堤防かを改造して堤防の堤内地側(河川の外側)を堤体と一体化して盛土し、幅を50メートル程度に広げたものとなっている。

 国土交通省が管理している江戸川、荒川、多摩川の一部においては、従来の台形型堤防を覆うように堤内地側を盛土し、堤防の幅を堤防の高さの30倍ほどに広げた広い堤防を整備している。

 スーパー堤防は「高規格堤防」とも称される。仮に大地震が起こっても、カミソリ堤防と異なり機能の大幅低下がなく応急復旧も容易で、親水性の向上も図れるなどのメリットがある。後背地の土地区画整理事業や市街地再開発事業などと一体的に整備することにより水や緑の豊かな都市の形成にも寄与するなどの利点がある反面、膨大な予算と工事に非常に長期を要することから、“むだな公共工事”として批判されたり、周辺住民の反対運動の対象になることもあった。

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市民緑地 (しみんりょくち)

 1995(平成7)年の「都市緑地保全法」改正で設けられた制度。目的は、都市内の民有地の緑を確保し、住民に期限付きの公園機能の提供を行うことである(同法第20条の2)。

 屋敷林、樹林地、原っぱ等の所有者と地方公共団体または緑地管理機構が契約し、地方公共団体が施設整備に当たる。これを「市民緑地」として一定の期間管理し、住民に公開するというシステムである。対象となるのは、都市計画区域内の300㎡以上の民有地の緑で、管理期間5年以上というものである。土地所有者に対しては、固定資産税や都市計画税の優遇措置がある。

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