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緑の基本計画 (みどりのきほんけいかく)

 「都市緑地保全法」(昭和48年9月1日 法律第72号;現「都市緑地法」)平成6(1994)年の改正により根拠づけられた「緑地の保存及び緑化の推進に関する基本計画」のこと(都市緑地法第4条)。

 策定の主体は区市町村で、緑地の保全や緑化の推進に関して、その将来像、目標、施策などを定める基本計画である。計画では、概ね以下の内容を定めるものとされている。

● 緑地の保全及び緑化の目標
● 緑地の保全及び緑化の推進のための施策に関する事項
● 地方公共団体の設置に係る都市公園の整備及び管理の方針その他保全すべき緑地の確保及び緑化の推進に関する事項
● 生産緑地地区内の緑地の保全に関する事項
● 特別緑地保全地区内の緑地の保全に関する事項
● 緑地保全地域及び特別緑地保全地区以外の区域 であって重点的に緑地の保全に配慮を加えるべき地区並びに当該地区における緑地の保全に関する事項
● 緑化地域における緑化の推進に関する事項
● 緑化地域以外の区域であって重点的に緑化の推進に配慮を加えるべき地区及び当該地区における緑化の推進に関する事項
 ・ 緑地の保全に関連して必要とされる施設の整備に関する事項
 ・ 土地の買入れ及び買入れた土地の管理に関する事項
 ・ 管理協定に基づく緑地の管理に関する事項
 ・ その他特別緑地保全地区内の緑地の保全に関し必要な事項

 〈小口〉

ミティゲーション (mitigation)

 “mitigation”は英語で「緩和」「鎮静」「軽減」を意味するが、環境アセスメントの言葉では、開発行為に伴ない生ずる自然環境への影響を緩和・軽減する保全策のこと。

 具体的には、以下のような措置が考えられる。

(1)回避……保全すべき自然環境のある個所を、路線の変更等により避ける手法。

(2)最小化…保全すべき自然環境への影響を、工法・構造の変更等により最小にとどめる手法。

(3)代替……保全すべき自然環境がやむを得ず消失する場合に、もともとの自然環境と同党のものを他の場所に設ける手法。

(4)修理・再生…工事によってダメージを受けた自然環境を、植栽や表土復元等により修復・再生する手法。

 〈小口〉

水循環マスタープラン (みずじゅんかんますたーぷらん)

 都市計画、環境保全、河川、水道、下水道、農林水産等の各部門で進められてきた従来の水施策を水循環の視点から捉え直し、総合化、系統化したうえで、効果的に推進すべく、平成11(1999)年に策定されたのが「東京都水循環マスタープラン」である。概ね平成27(2015)年を計画目標として水循環に関する施策を総合的、体系的、効率的に推進してきた。

 このプランは、不安定な水源に依存した東京の水供給、被覆率の増大による雨水新党機能の低下、水辺空間の減少などに代表される都市の発展に伴って発生した水循環の深刻な課題克服という問題意識に発している。

 プランはその後、平成29(2017)年に策定された「都市づくりのグランドデザイン」に引き継がれ、治水・利水・水環境の施策にとどまらず、水辺を楽しめる都市空間の創出などの様々な取り組みが推進されている。

  〈小口〉

マルチモーダル施策 (multimodal しさく)

 あらゆるニーズに応じて効率的、最適化された輸送体系を確立し、良好な交通環境を創造する観点から、道路だけでなく、航空、海運、水運、鉄道など交通機関の連携を図る交通施策のことである。

 現行の交通体系では、自動車、鉄道、船舶、航空、地下鉄、バス、路面電車、モノレール等の多様な手段が併存している。しかし、それらは個々に運行・管理されることがほとんどであるため、複数交通手段の利用は少なく非効率性を呈している。利便性の高い自動車への過度な依存もまた、都市部では非効率を生み出している。その結果、都市交通サービスの低下、物流の非効率、交通渋滞、地球温暖化や大気汚染など様々な弊害も生んでいる。そのような現状認識に立ち、この施策は模索されている。

 具体的には、高規格幹線道路網から空港、港湾、新幹線等の交通拠点への連絡強化を図るアクセス道路の整備や都市モノレール、新交通システムの整備を図る。また、道路拡幅、交差点改良、バスレーンのカラー舗装化、パークアンドバスライド施設整備、バス停のハイグレード化等の推進、駅前広場やバスターミナルなどの交通広場や交通結節点における歩行者長距離移動のための歩行支援施設の整備、トランジェットモールの導入などにより路線バスの定時性・利便性の向上を図ることなどがその内容となる。

 〈小口〉

街並み誘導型地区計画 (まちなみゆうどうがたちくけいかく)

 市街地の景観を形成する大きな要因である建築物の形態について規定する主な制度は「建築基準法」と「都市計画法」であるが、これらは防災性、安全性、衛生面等の確保が主眼で、景観という視点はほとんど顧慮されていない。そのため、
これら法規制にのみ則った建築が進められれば、景観上はちぐはぐで美観を欠いた市街地が形成される憾みもある。

そこで、平成7(1995)年の都市計画法改正に伴い創設されたのが、「街並み誘導型地区計画」である(同法第12条の5第7項)。地区計画で建物の壁面の位置と建築物の高さの制限等を定め、さらにその計画に基づいた区市町村の条例を制定することにより、建築基準法の制限である前面道路による容積率制限や道路斜線制限を緩和する制度である。

 これによって、全国一律の形態規制のみでなく、地域の実情に即したルールを作り出し、一定の市街地環境を確保しつつ、土地の有効利用の促進に併せて整った街並みの形成を誘導することを狙いとしている。

  〈小口〉