都市計画、環境保全、河川、水道、下水道、農林水産等の各部門で進められてきた従来の水施策を水循環の視点から捉え直し、総合化、系統化したうえで、効果的に推進すべく、平成11(1999)年に策定されたのが「東京都水循環マスタープラン」である。概ね平成27(2015)年を計画目標として水循環に関する施策を総合的、体系的、効率的に推進してきた。
このプランは、不安定な水源に依存した東京の水供給、被覆率の増大による雨水新党機能の低下、水辺空間の減少などに代表される都市の発展に伴って発生した水循環の深刻な課題克服という問題意識に発している。
プランはその後、平成29(2017)年に策定された「都市づくりのグランドデザイン」に引き継がれ、治水・利水・水環境の施策にとどまらず、水辺を楽しめる都市空間の創出などの様々な取り組みが推進されている。
〈小口〉