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水循環マスタープラン (みずじゅんかんますたーぷらん)

 都市計画、環境保全、河川、水道、下水道、農林水産等の各部門で進められてきた従来の水施策を水循環の視点から捉え直し、総合化、系統化したうえで、効果的に推進すべく、平成11(1999)年に策定されたのが「東京都水循環マスタープラン」である。概ね平成27(2015)年を計画目標として水循環に関する施策を総合的、体系的、効率的に推進してきた。

 このプランは、不安定な水源に依存した東京の水供給、被覆率の増大による雨水新党機能の低下、水辺空間の減少などに代表される都市の発展に伴って発生した水循環の深刻な課題克服という問題意識に発している。

 プランはその後、平成29(2017)年に策定された「都市づくりのグランドデザイン」に引き継がれ、治水・利水・水環境の施策にとどまらず、水辺を楽しめる都市空間の創出などの様々な取り組みが推進されている。

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マルチモーダル施策 (multimodal しさく)

 あらゆるニーズに応じて効率的、最適化された輸送体系を確立し、良好な交通環境を創造する観点から、道路だけでなく、航空、海運、水運、鉄道など交通機関の連携を図る交通施策のことである。

 現行の交通体系では、自動車、鉄道、船舶、航空、地下鉄、バス、路面電車、モノレール等の多様な手段が併存している。しかし、それらは個々に運行・管理されることがほとんどであるため、複数交通手段の利用は少なく非効率性を呈している。利便性の高い自動車への過度な依存もまた、都市部では非効率を生み出している。その結果、都市交通サービスの低下、物流の非効率、交通渋滞、地球温暖化や大気汚染など様々な弊害も生んでいる。そのような現状認識に立ち、この施策は模索されている。

 具体的には、高規格幹線道路網から空港、港湾、新幹線等の交通拠点への連絡強化を図るアクセス道路の整備や都市モノレール、新交通システムの整備を図る。また、道路拡幅、交差点改良、バスレーンのカラー舗装化、パークアンドバスライド施設整備、バス停のハイグレード化等の推進、駅前広場やバスターミナルなどの交通広場や交通結節点における歩行者長距離移動のための歩行支援施設の整備、トランジェットモールの導入などにより路線バスの定時性・利便性の向上を図ることなどがその内容となる。

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街並み誘導型地区計画 (まちなみゆうどうがたちくけいかく)

 市街地の景観を形成する大きな要因である建築物の形態について規定する主な制度は「建築基準法」と「都市計画法」であるが、これらは防災性、安全性、衛生面等の確保が主眼で、景観という視点はほとんど顧慮されていない。そのため、
これら法規制にのみ則った建築が進められれば、景観上はちぐはぐで美観を欠いた市街地が形成される憾みもある。

そこで、平成7(1995)年の都市計画法改正に伴い創設されたのが、「街並み誘導型地区計画」である(同法第12条の5第7項)。地区計画で建物の壁面の位置と建築物の高さの制限等を定め、さらにその計画に基づいた区市町村の条例を制定することにより、建築基準法の制限である前面道路による容積率制限や道路斜線制限を緩和する制度である。

 これによって、全国一律の形態規制のみでなく、地域の実情に即したルールを作り出し、一定の市街地環境を確保しつつ、土地の有効利用の促進に併せて整った街並みの形成を誘導することを狙いとしている。

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街並みデザイナー制度 (まちなみでざいなーせいど)

 「東京のしゃれた街並みづくり推進条例」(平成15年3月14日 条例第30号)において定められている制度。街並みまちづくりの専門家である「街並みデザイナー」を地域に派遣し、地元の地権者と共に地域のルールである「街並み景観ガイドライン」を定めて景観づくりを進め、地域の個性と多様な魅力を尊重しつつ育てながら都市づくりを進めていく事がその趣旨。

 平成13(2001)年10月「東京の新しい都市づくりビジョン」の中で、「街並みデザイナー」制度の創設が位置づけられた。その後、平成15(2003)年3月「東京のしゃれた街並みづくり推進条例」が成立し、公布された。平成16(2004)年6月、街並みデザイナー派遣が開始去れている。

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街なみ環境整備事業 (まちなみかんきょうせいびじぎょう)

 国の補助事業の一つ。住宅が密集し、かつ、生活道路等の地区施設が未整備であったり、住宅等が良好な美観を有していないなど、住環境の整備改善を必要とする区域において、地区施設、住宅及び生活環境施設の整備等住環境の整備改善を行うことにより、地区住民の発意と創意を尊重したゆとりとうるおいのある住宅市街地の形成を図ることが目的である。


 この制度に則り、市町村等が「街なみ環境整備方針」を策定する。整備方針には、地区施設・住宅などの整備の基本方針、整備予定時期などが盛り込まれる。、地区住民は「まちづくり協定」を締結し、市町村等が「街なみ環境整備事業計画」を策定する。これら協定、計画に基づいて市町村等や地区住民が行う地区施設、住宅及び生活環境施設の整備等に対して国から支援が行われるという仕組みになっている。

 事業主体は原則として区市町村であり、東京都では国の要綱に基づいてこの事業を行う市町村へ補助金を交付する制度がある。

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