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街並みデザイナー制度 (まちなみでざいなーせいど)

 「東京のしゃれた街並みづくり推進条例」(平成15年3月14日 条例第30号)において定められている制度。街並みまちづくりの専門家である「街並みデザイナー」を地域に派遣し、地元の地権者と共に地域のルールである「街並み景観ガイドライン」を定めて景観づくりを進め、地域の個性と多様な魅力を尊重しつつ育てながら都市づくりを進めていく事がその趣旨。

 平成13(2001)年10月「東京の新しい都市づくりビジョン」の中で、「街並みデザイナー」制度の創設が位置づけられた。その後、平成15(2003)年3月「東京のしゃれた街並みづくり推進条例」が成立し、公布された。平成16(2004)年6月、街並みデザイナー派遣が開始去れている。

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街なみ環境整備事業 (まちなみかんきょうせいびじぎょう)

 国の補助事業の一つ。住宅が密集し、かつ、生活道路等の地区施設が未整備であったり、住宅等が良好な美観を有していないなど、住環境の整備改善を必要とする区域において、地区施設、住宅及び生活環境施設の整備等住環境の整備改善を行うことにより、地区住民の発意と創意を尊重したゆとりとうるおいのある住宅市街地の形成を図ることが目的である。


 この制度に則り、市町村等が「街なみ環境整備方針」を策定する。整備方針には、地区施設・住宅などの整備の基本方針、整備予定時期などが盛り込まれる。、地区住民は「まちづくり協定」を締結し、市町村等が「街なみ環境整備事業計画」を策定する。これら協定、計画に基づいて市町村等や地区住民が行う地区施設、住宅及び生活環境施設の整備等に対して国から支援が行われるという仕組みになっている。

 事業主体は原則として区市町村であり、東京都では国の要綱に基づいてこの事業を行う市町村へ補助金を交付する制度がある。

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ボンエルフ (woonerf)

 道路形態の一種。住宅地において、道路の車道部分をあえて蛇行させたり、道路に張り出して花壇や街路樹などを配置したり、車道面に凹凸を付けるなどして、車の速度を低く抑える手法を取り入れた道路のことである。「歩車共存」がそのモチーフと言えるが、住宅地の中から通過交通を排除することも目的に含まれる。

「woonerf」はオランダ語であり、「生活の庭」という意味である。この道路形態の工夫も、オランダが発祥地である。

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保存樹林 (ほぞんじゅりん)

 「都市の美観風致を維持するための樹木の保存に関する法律」(昭和37年法律第142号)という法律がある。これに基づき、都市の美観風致を維持ずるため区市町村長が指定した樹木を「保存樹」という。そして、この保存樹の集団が「保存樹林」である(同法第2条第1項)。

 保存樹林となるには、条件がある。

 「樹木の集団については、次のいずれかに該当し、その集団に属する樹木が健全で、かつ、その集団の樹容が美観上特にすぐれていること。

 イ その集団の存する土地の面積が五百平方メートル以上であること。
 ロ いけがきをなす樹木の集団で、そのいけがきの長さが三十メートル以上あること。」
 (同法施行令第2項)

 保存樹林となると、その保全は所有者に委ねられ、他者の協力も求められている。

 「所有者は、保存樹又は保存樹林について、枯損の防止その他その保存に努めなければならない。
2 何人も、保存樹又は保存樹林が大切に保存されるように協力しなければならない。」

 (同法第5条1項、第2項)

 東京都や一部の市が、一定の要件を満たす保存樹林に対して、固定資産税、都市計画税の減免措置を講じたり、区や市の一部が、保存樹林の買収、奨励金の交付を実施したりしている。、

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歩車分離 (ほしゃぶんり)

 歩行者と車両の銅線を分離して歩行者の安全を図る設計のこと。「人車分離」とも。

 道路における歩道のよう平面的に分離したり、ペデストリアンデッキや地下道という形で立体的に分離したり、方法はいろいろある。さらに、「歩行者天国」のように、時間を定めて車両を通行止めし、歩行者に自由な通行を認める方法もある。

 なお、主にマンションなどの集合住宅に採用される方式で、歩行者の安全確保のため、車が通る道と歩行者が通る道を計画的に分離した敷地内設計も、こう呼ばれる。

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