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緑地 (りょくち)

 「緑地」には、狭義のものと広義のものがある。狭義では、「都市公園」など造営物である緑地を意味し、広義では、都市公園のみならず、寺社境内地等の空地の多い施設、農耕地、山林、河川、水面などのオープンスペースまで含める。

 「都市計画法」(昭和43年法律第100号)でいう「緑地」はその狭義のものに相当し、地方公共団体等が土地に関する権原を取得し、施設として積極的に整備し、管理するような「施設緑地」を意味する。

 一方、「都市緑地保全法」(昭和48年法律第72号)でいう「緑地」は、『樹林地・草地・水辺地・岩石地、これらに類する土地で、良好な自然環境を形成しているもの』としており(同法第2条の2第1項)、広義のものに相当する。また、「首都圏近郊緑地保全法」(昭和41年法律第101号)に規定する「近郊緑地特別保全地区」(同法第2条)も同様に広義の「緑地」と言える。

 なお、広義の「緑地」のうち、風致地区、生産緑地地区など、一定の地域を指定して定められるものは「地域制緑地」と呼ばれる。

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緑視率 (りょくしりつ)

 端的に言えば、「視界に入っている緑(植物)の割合」のこと。主として、市街地における緑の満足度、意識量を把握するための指標として用いられる。その算出法は、定点を決め、一定基準のもとで撮影した風景写真から机上で写真内に占める樹木等の緑の面積割合をパーセントで表わすといったような方法がとられる。

 国土交通省等が行った調査によると、「緑視率がおよそ25%を超えると緑が多いと感じ始める」という結果が出ている。

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流通業務団地 (りゅうつうぎょうむだんち)

 卸売業店舗、トラック・ターミナル、鉄道貨物駅、営業倉庫、荷捌き場、卸売市場などの流通関連諸施設が一体的に立地する施設。「都市計画法」(昭和43年法律第100号)に基づく「都市施設」である(同法第11条第1項第10号)。通称で「流通センター」と呼ばれることが多い。

 流通業務団地の具体的内容は、別途、「流通業務市街地の整備に関する法律」(昭和41年法律第110号)で定められるが、法には「当該区域が、流通業務施設が適正に配置され、かつ、各流通業務施設を連絡する適正な配置及び規模の道路その他の主要な公共施設を備えることにより、流通業務地区の中核として一体的に構成されることとなるように定めること」と規定されている(同法第8条第2号)。

 東京都内では、特別区(23区)内に4か所(大田区・板橋区・足立区・江戸川区)あり、行政等が基盤整備を行い、業種別、街区毎に民間事業者等が施設を整備・運営している。

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流域下水道 (りゅういきげすいどう)

 「下水道法」(昭和33年法律第79号)に基づく下水道の一つ。一言で言えば、複数の市町村にまたがる河川、湖などの水域の水質をきれいに保つために、市町村の枠を越え、広域的かつ効率的な下水の排除、処理を目的としたものである。

 多数の市町村の区域にまたがり、流域単位に都道府県が設置する。その区域内の公共下水道から下水をうける感染管渠と終末処理場からなる(同法第2条第4号)。この場合の終末処理場を持たず、流域下水道に接続する「公共下水道」を「流域関連公共下水」という。

 東京都では、多摩川流域下水道及び荒川右岸東京流域下水道の二つの流域下水道事業を実施している。

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立体都市計画制度 (りったいとしけいかくせいど)

 必要があれば、従来の「区域」に加えて「立体的な範囲(空間及び地下)」を定めることを可能とした制度である。平成12(2000)年5月の「都市計画法」改定により新設された(同法第11条第3項)。

 都市計画施設の区域内では建築制限(同法第53条第1項)が課せられるが、この「区域」とは平面概念であるため、その制限は“天井天下”に及んでいる。しかし、この新制度を活用すれば、「地域」に加え「立体的な範囲」が設定できるため、都市計画の区域内であっても、建築制限の適用除外または建築許可が可能となる。ということは、建築の自由度が高まり、適正かつ合理的な土地利用の促進を図ることができるようになったということである。

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