「ユニバーサル(universal)」は「普遍的な、すべての」を意味するが、「ユニバーサルデザイン(universal design)」は、年齢、性別、身体的状況、国籍、言語、知識、経験などの違いに関係なく、すべての人が使いこなすことのできる製品や環境などのデザインという概念である。1990年代、アメリカでノースカロライナ州立大学のロナルド・メイス(Ronald Mace;1941―1998)博士により提唱去れた。
ユニバーサルデザインには次の7原則がある。
(1)公平性(誰でも使いこなすことができる)
(2)自由度(たとえば右利き、左利き両方が使いやすい)
(3)簡単さ(作りが簡単で、使い方もわかりやすい)
(4)明確さ(知りたい情報がすぐに理解できる)
(5)安全性(使用に安全、安心で、誤使用しても危険が少ない)
(6)持続性(長時間使用しても、体への負担が少ない)
(7)空間性(どのような体格、姿勢、動きでも快適に使える大きさ、広さがある)
障害者・高齢者など身体的にハンディキャップをもつ人々に対して障害(バリア)を取り除く事にとどまらず、すべての人々にとって使いやすく、優しくあれという思想を表現したデザインと言えよう。
ノンステップバス、建物内の広く段差のない通路から日用品に至るまで、身近なところにこの考え方を反映したものが増えていることに気づかされる。
〈小口〉