本来、都会の中の中心市街地.大都市の既成市街地を指す。ここに生じた都市問題が、「インナーシティ問題」と呼ばれるものである。居住環境の悪化、夜間人口の減少、低所得層の総体的増加、高齢化の進行、近隣関係の崩壊、治安の悪化、公共施設の維持・管理能力低下等がその内容である。
1970年代、ニューヨークやロンドンで大都市問題として顕在化、日本においても、昭和50(1975)年代に、東京都心3区(千代田・中央・港)、山手線内側、大阪府大阪市の兵庫県神戸市の中心部において同様の現象が見られた。
また、バブル経済期の東京都の区部中心部において、地価の高騰などにより定住人口が大幅に減少したことから、近隣商店の衰退とそれが招く生活利便性の低下、コミュニティの弱体化などの問題が浮上した。
〈小口〉