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データベースへの誘い -「知の刺激」が、あなたのビジネスを変える-

 「都市は生きものである」。生きものなればこそ、それぞれに個性があり、表情がある。数字に示されたデータは、個性を形作る一つの属性にすぎず、表情を生み出す一つの断面にすぎない。

 一見無機的に見えるパーツの組み合わせの「妙」。ここに有機体の本質がある。データにこだわり、数字に追い回されていると、「木を見て森を見ず」に陥ってしまう。だから森の中に迷い込むのだ。

 まずは、目的に応じた都市の全体像を仮説として立ててみよう。最初の仮説は大雑把で良い。むしろ、大雑把な方が良いのかも知れない。

 データに向き合うのはそれからだ。多分にゲーム感覚の検証作業。仮説がピタリと当たることなんて、まずあり得ない。だからそこに「何故?」の疑問が生まれ、それが気づきを生み、新たな仮説へと結びついていく。そこで再びデータに戻って…。後はその繰り返しだ。最初の仮説が大雑把な方が良いのは、大雑把であるほど気づきの要素が多くなるからに他ならない。

 生命体に代表される複雑系は、動的平衡のメカニズムによって自律的秩序を形成する。生物における「反」エントロピーの法則である。エントロピーの増大とは、即ち質の低下を意味する。

 都市も生きものならば、そこにはエントロピーを低下させ、活動の質を高める固有のメカニズムが存在するはずだ。この真相をつかみ出し、それを目的に応じてカスタマイズし得た者だけに、都市を舞台としたビジネスの勝者への道が拓かれる。
 だからと言って、いきなり個別のデータから入り、数字の森に迷い込むのは、まさにエントロピーを増大させる姿そのものである。「仮説」⇔「検証」のサイクルを通じて順次情報の価値を高めていくことによって、はじめて数字の羅列の中から「生きた解」を見つけ出すことができる。このとき、良質なデータベースは、単に作業を簡潔化させるだけでなく、気づきを生み出す「知の刺激」の格好の供給源となる。

 本データベースは、量的にもまた質的にもわが国で最もダイナミックなパワーを有する東京23区に的を絞り込み、その徹底した深掘りを通じて、ビジネスに即役立つ情報の提供を目指すものである。まだまだ不十分な部分は多い。しかし、それは利用者との相互コミュニケーションによって解決していけば良い。

 私たちの願いは、単なる数値データ入手の利便性ではない。東京の中に秘められた無限の価値を発見する「機会の提供源」となることである。

 あなたならではの「知の刺激」を駆使して、未来への挑戦を始めようではありませんか。


   一般社団法人 東京23区研究所 代表理事・所長 池田利道