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都市型水害 (としがたすいがい)

 大都市に特有の被害や態様を呈する水害を指す。

 例えば、高度に交通網や通信網が整備され、膨大な人口を有する大都市は、局地的な集中豪雨に対する脆弱性を内包している。路面がアスファルト舗装されていたり、コンクリート建造物が密集していれば、地中への雨水の浸透が低下する。このため、局地的な豪雨があると雨水が一気に下水道や中小河川へ流れ込むことになる。さらに、排水処理機能がこれに追いつかず、雨水が下水道や中小河川からあふれ出し、道路や低地が冠水したり、繁華街や地下街での浸水による被害が発生する。

 東京でも、河川・下水道等の整備水準を大幅に上回る1時間100ミリを超える集中豪富が頻発している。すると、土地の保水・湧水機能が大幅に低下した地域や、浸水危険度の高い地域では、地下室・地下街等への浸水が発生している。たとえ比較的浸水の面積が小さかったにせよ、資産の集中・集積が著しい大都市では、被害額が人体となることも都市型水害の特徴である。

 こうしたことを背景に、東京都では平成13(2001)年1月に「東京都都市型水害対策検討会」を設置し、都市型水害に対する施策について、ハード・ソフト両面から総合的に検討を進め、同年11月に最終報告を取りまとめるなどの取り組みをしている。

  〈小口〉