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多自然川づくり (たしぜんかわづくり)

 川を単に治水・利水のために機能させるのではなく、地域の暮らしや歴史・文化との調和にも配慮し、 河川が本来有している生物の生息・生育・繁殖環境及び多様な河川景観を保全・創出するような川づくりを行うことである。「多自然川づくり」はすべての川づくりの基本であると位置づけ、一級河川、二級河川及び準用河川すべてが対象となる。

 平成2(1990)年、建設省(現・国土交通省)から「『多自然型川づくり』の推進について」の通達が出されたことに端を発する。ここに、河川の生物の生息・生育環境及び美し
い自然景観を保全・創出する「多自然型川づくり」が始まった。その後、平成9(1997)年には河川法が改正され、河川環境の整備と保全が河川法の目的として明確化されるとともに、河川砂防技術基準(案)において「河道は多自然型川づくりを基本として計画する」ことが位置づけられ、現在では多自然型川づくりはすべての川づくりに適用されるようになっている。やがて、事業の名称も、平成18(2006)年に「多自然型川づくり」から「多自然川づくり」へと変更された。

 〈小口〉