記事一覧

干支の名がついた駅

 東京23区には、干支の動物の名前が入った駅が24ある(駒、鳥を含む)。このうち、圧倒的多数を占めるのが「午(馬または駒)」。馬がいかに身近でかつ有益な動物であったかを雄弁に物語っている。一気にあげると、高田馬場、馬喰町、練馬、東武練馬、練馬高野台、練馬春日町、馬込、西馬込、新馬場、馬喰横山、大井競馬場前、小伝馬町、駒込、本駒込、駒場東大前、駒沢大学。合わせて16駅を数える。

 馬以外では、「丑(牛)」と「酉(鳥)」が3駅ずつ。牛が、牛田、牛込柳町、牛込神楽坂。鳥は、千鳥町、大鳥居、飛鳥山。残る2つは、辰と巳がひとつになった辰巳と虎ノ門である。

 荷物を運ぶ馬を“駄”という。とすれば、千駄ヶ谷、千駄木も馬に加えていいのかも知れない。

 地名にまで広げても馬の優位は変わらない。駅名とダブるもの以外に、日本橋大伝馬町(中央区)、馬場下町(新宿区)、上馬(世田谷区)、下馬(世田谷区)、駒形(台東区)、東駒形(墨田区)がある。

 縁起の良さでは干支の中で随一の「辰」は、竜泉(台東区)、辰沼(足立区)、千住龍田町(足立区)。駅名では「辰」と並ぶ「酉」が鳥越(台東区)。駅名にはないものの、地名では健闘しているのが「申(猿)」で、猿江(江東区)と猿楽町(千代田区と渋谷区)がある。

 ちなみに、干支以外の動物の名がついた駅名となると、「亀」が亀有、亀戸、亀戸水神の3駅。「鴨」が、巣鴨、西巣鴨、巣鴨新田の同じく3駅。鳥の仲間では、他に鴬谷、鷺の宮、鵜の木、千歳烏山もある。目白、目黒(中目黒も)は、同音異義語でメジロ、メグロという鳥がいるから番外というところか。哺乳類では熊の前。魚類では鮫洲も動物の仲間だ。

 地名になると、鹿、狸、鷹、鶴、隼、白鳥、さらには牡蠣もいる。どこに潜んでいるかを探しながら、その名がついた由来まで調べて行くと、東京がいかに動物と共生し合うまちだったかを改めて知ることができるだろう。


  <所長・池田俊道>